「美沙ちゃんって、あまり気にならないの?」
洗濯物を畳んでいるとき、ゆうちゃんのことになったので聞いてみました。
もちろん、金曜日にしたことについてです。
「気にならないと言えば嘘になるかな。」
「そう、よね…。」
自分の旦那様が、他の女性と交わっているのです。
何も思わない妻はいないと思っていました。
「けど、相手は恵ちゃんだからね。元々、そういう関係だってのは知ってて結婚してるし、気になるって言っても、羨ましいくらいしか思ってないよ。」
「羨ましいの?」
「そうだよ。だって、ゆう君、恵ちゃんといつもしたがるからね。」

「けど、美沙ちゃんとだって、いつもしてるでしょ?」
「そうでもないと思うよ。たぶん恵ちゃんが思ってる以上に少ないよ。ほら、この子たちもいるからいつも出来るわけじゃないしさ。それに、あたしは朝起きるの苦手だからね。」
「そうなのね…。」
「どっちかって言うと、あたしはこの方がいいと思ってるくらいだよ!」
「えっ、なんで?」
「だって、恵ちゃんとしてたら、ゆう君、絶対に浮気とかしないでしょ?」
確かに、息子にはそんな素振りは一切ありませんし、気配もありません。
「和ちゃんのときは大変だったからね…。」
美沙ちゃんは、和彦さんが初めての男性でした。
ただ、その時点でもあの人には他に女性が複数いたようでした。
そんな状況が彼女のスタートラインでしたので、妊娠、結婚してからも、そういうものだと思って諦めていたそうです。
「そうよね…。」
「今はいないみたいだけどさ。」
「そ、そうね…。」
「そう思うとゆう君と恵ちゃんが仲良いのはあたしにとっても良いことだよ。恵ちゃんとしかやらないとか言われたらショックだけどさ。」
「まぁ、それは絶対にないよ。」
息子は美沙ちゃんのことを大事にしています。
それは一緒にいるとよくわかりますし、それが故に私も嫉妬するときがあります。
ただ、話していて思ったことは、美沙ちゃんほど息子の妻に最適な人は居なかったということです。
それは私にとっても、という意味も含みます。

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