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日記

11月6日のこと(お散歩)

『買い物に行くけど、母さんも一緒にどう?』

美沙ちゃんにその事を伝えると、そのまま泊まってきて大丈夫と言われました。

(こんな早くからゆうちゃんに会えるなんて!)

今夜はもともとお泊りの予定でしたが、息子の部屋に行けるのは6時か7時くらいと思っていました。

「大して買い物じゃないけど、天気も良いから散歩でもしようよ。」

息子の部屋に行ったのは3時過ぎなので、お買い物が終わったらお茶でもしてこようと思いました。

(なんかこういうの久しぶり!)

コロナ禍になってから、外でデートすることは激減しました。

近所とは言え、嬉しさが止まりません。

しかし、それだけでは済みませんでした。

「えっ、お買い物って、これ?」

家から遠い、普段は使わないドラッグストアでしたので、少し不思議に思っていました。

(お散歩だからこっちまで来たのかと思ったけど…。これが目的だったのね…。)

「そうだよ。母さんにはほとんど使わないけどね。あっ、けど、こっちなら使うかな。」

「うっ…。ちょ、ちょっと…。」

人目が無いのを良い事に、母のお尻を触る息子。

「あっ、も、もぅ、こんなとこで…。」

小声で息子に伝えますが、彼は笑っているだけでした。

「それより、早く買って帰ろうよ。」

「う、うん…。」

24歳の男と45歳の女が、寄り添ってレジに並びます。

その2人が購入しようとしているものは、厚さ0.01ミリと書いてある箱が3箱だけでした。

(もぅ、恥ずかしいよ…。)

ドラッグストアを出るまでは、もう気が気ではありませんでした。

「これだけしか買わないなんて、恥ずかしいよ…。」

「えっ、どうして?」

「だって…。これから、します、みたいじゃない?」

「けど、実際そうでしょ?」

「ま、まぁ、そうだけど…。けど、若いカップルからわかるけど…。お母さん、いい歳だし…。変に思われないかな?」

「母さんは本当に謙虚だね。こうやって歩いてたら普通の夫婦だよ。」

繋いでいた手に少しだけ力入れる息子。

11月6日のこと(お散歩)

(そうだといいけど…。)

美沙ちゃんと歩いてる姿を見てしまっていると、どうしても自分と比べてしまいます。

「それより、中は大丈夫?外れてない?」

「えっ、あ、うん…。入ってるよ…。」

「その割には平気な顔しているね。母さんには刺激が弱すぎたかな?」

「そんなことないよ。これでも顔に出ないように、頑張ってるんだから…。」

「そうなんだ?中がどうなってるか、帰ってからのお楽しみだね。」

(もう、この子ったら…。どんどんいやらしくなって…。)

帰宅するまでは、また何かされるまではないかと心配でした。

しかし、その後は本当にお散歩デートでした。

コーヒーショップでテイクアウトして、近くの公園に立ち寄りました。

心地良い空気の中で、コーヒーを飲みながら息子とお話するのは、本当に幸せなひと時でした。

ただ、そんなゆったりとした時間は、部屋に戻るまででした。

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